(つづき)
深夜。
フィレンツェの空港はダメになったけど、うちらが乗るのは、ヴェニスの空港だから!と、すがる思いで電話をかけました
とりあえず、飛行機とホテルの手配を頼んだ旅行会社に。
私と空のdocomoが国際電話対応だったため、旅行に行く前、かけ方から料金まで、あらゆることを調べていました。
でもあのときは、カード無くしたら・・・とか、現地ではぐれたら・・・とかそんな想定のもとだったわけで、まさかこんな状況で初国際電話になるとは思ってませんでしたけどね☆
電話料金は、1分間で280円。
空の携帯をメインに、誰が何分間通話したかを細かにメモって、電話代が1人だけかさまないようにしました。
電話はすぐつながりましたが、担当さんもたくさんの旅行者から同じ電話を何本も受けているのでしょう。
そっちも混乱気味だったようです。
とりあえず空港に行って情報を、とのこと。
もはやできることは何もないので、明日、なるはやで出られるよう、準備だけ完璧にして寝ることにしました。
私はプーをバッグに、空は眉毛をスーツケースに。このへんの違い(笑)
そして次の日。
窓を開けてみたら、ものっっすごい濃霧でした。

一寸先が見えないんですけど。
何これ、何の演出。未来が見えない的な。
晴れてたら、朝焼けの運河も行きたかったんですよー。
ま、何にしろ、この状況じゃ無理だがな!
掻っ込むように朝ご飯。
今飛んでる飛行機も、1時間後には飛ばなくなるかもしれない。
30分でも1時間でも早い方がいい。
一刻を争いすぎて、朝食時間ふつうに間違えてフライングしました。
ハムやチーズに、まだラップが乗っている。
ウェイターのおじちゃんが、私たちが入ってくるの見て、ラップ取ってくれまし(笑)コーヒーも淹れてくれた。
でも、私たち以外、しばらく無人でした。
どんだけ早かったんだ!すみませ・・・!
美味しい生ハムに、美味しいチーズ、焼きたてのクロワッサン・・・どうなるかわからないけど、とにかくさようなら4つ星ホテル・・・!
チェックアウトを済ませて、濃霧の中、走るようにヴァポレット乗り場へ。
石畳の上を巨大スーツケース引っ張るのはとてもしんどい。
空港行きのヴァポレット乗り場。昨日も通ったサンマルコが、まったく違う景色です。
霧で、いつも見えているはずの、向こうの島が見えない。

私たちより先に、欧米系の旅行者夫婦が船を待っていたのですが、あまりに来ないためか、移動していきました。
先を急ぐのは私たちも同じですが、水上タクシーに乗る経済力はないし。
しばらく待って、予定通り、1時間で空港に行くヴァポレットに乗りこみました。
スーツケースを積み込んでもらい(手元に置けないから入口に固めておかれるよ)、今回は船内へ。
窓を少し開けてみたら(あけるとさむいよ)、船着き場にいたときよりもさらに霧の密度が濃くなっいて、2メートル先も見えない状態。
そんな状況を見た空が、ミストという映画の話をはじめました。
濃霧の中で怪奇事件がおきる話。やめてくれ・・・!
んで、霧が出たら異世界行けるよねトークになったのはいつものことです。
あと、旅行客の中に、あり得ない可愛さの少年を見つけて萌えたり(10歳くらい、天使のような巻き毛に、鳥海ハットがよく似合う。19世紀が似合いそうな美少年)、アイスが噴火したこの状況のヘタ各国のセリフを考えてみたり、緊急事態だが、楽しいもんは楽しい。
しかし、この間にも、日本からはメールで情報が入ってきます。
ドイツも、フランスもダメになったって・・・
じゃあ、アムステルダムなんか絶望的じゃないか。
ヴェネツィア、マルコ・ポーロ空港に到着。
さっきの美少年が母親と腕を組んで歩いてるの見て、こんな素敵な甘え方ができるなんて萌え殺す気か卑怯なり・・・!
「ママの荷物はぼくが持つよ。えへへ、ママ大好き☆」
とかアテレコして遊んでる場合でも萌えてる場合でもなくて、ロビーに急ぎます。
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